マダニによる感染症に注意しましょう
平成25年1月に国内で海外渡航歴のない方が重症熱性血小板減少症候群(Severe Fever with Thrombocytopenia Syndrome:SFTS)に罹患していたことが初めて報告されて以降、西日本からの報告が相次いでいます。
福岡県内でも平成27年5月19日に、SFTSの患者が初めて確認され、平成27年6月30日現在、4例報告されています。
SFTSは、マダニに咬まれてから6日~2週間程度の潜伏期間の後、38度以上の発熱や消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)などの症状がでます。重症化し死亡することもあります。
SFTSの主な感染原因は、ウイルスを保有しているマダニに咬まれることにより感染するとされています。(すべてのマダニがこのウイルスを持っているわけではありません。また、このほかにも、マダニが媒介する感染症には、日本紅斑熱やライム病が知られています。)
マダニは春から秋にかけて活動が活発になりますので、感染を予防するため、以下のことに注意してください。(これらの予防方法はツツガムシにより感染するつつが虫病の予防にも有効です。)
マダニとは
- マダニはマダニ科のダニ類の総称で、食品等に発生するコナダニ類や衣類や寝具に発生するヒョウヒダニ・ツメダニ類など、家庭内に生息するダニとは種類が異なります。
- マダニ類は、比較的大型(吸血前で3ミリメートルから4ミリメートル)のダニで硬い外皮に覆われており、吸血すると10ミリメートルから15ミリメートルになります。(家庭内に生息するダニの多くは、0.5ミリメートル以下です。)
- 日本でも全国的に分布しており、主に森林や草地等の屋外に生息していて、市街地でも見られることがあります。
マダニによる感染症を予防するには
マダニに咬まれないようにすることが重要です。
- 草むらや藪など、マダニが生息する場所に入る場合には、長袖、長ズボン、足を完全に覆う靴を着用して肌の露出部分を少なくしましょう。
- 屋外活動後はマダニに刺されていないかを確認しましょう。
もしマダニに咬まれたら
マダニ類の多くは、人や動物に取り付くと、皮膚にしっかりと口器を突き刺し、長時間(数日から、長いもので10日間)吸血します。
- 吸血中のマダニを見つけた場合は、自分で取ろうとせず、できるだけ医療機関(皮膚科)で処置しましょう。(無理に引き抜こうとすると、マダニの一部が皮膚内に残ってしまい化膿することがあります。)
- マダニに咬まれた後に、発熱等の症状があった場合は、医療機関を受診しましょう。
啓発ツール
マダニに注意しましょう(福岡県リーフレット) (PDFファイル: 504.0KB)
参考 ホームページ
福岡県ホームページ
厚生労働省ホームページ
「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について」<外部リンク>
更新日:2021年10月29日