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須恵町の歴史と成り立ち

印刷用ページを表示する 掲載日:2016年10月12日更新

須恵町の歴史と成り立ち

縄文時代・弥生時代・古墳時代 

須恵町最古の遺跡は今から約2万年前にさかのぼります。町北西部の乙植木山城戸遺跡からは石器類が出土しています。縄文時代・弥生時代にも遺跡が営まれ、旅石の篠堀遺跡からは弥生時代の北部九州における特徴的な埋葬形態である甕棺墓(かめかんぼ)が見つかっています。古墳時代になると遺跡は急増します。若杉山麓にはヨムギ古墳や乙植木古墳群が作られ、乙植木の牛ヶ熊遺跡からは滑石の原石や未製品が出土して、玉製品の工房跡であることがわかりました。

「須恵」の由来

「須恵」という地名は古代の須恵器の生産に由来しているとされ、ヨムギ古墳などでは須恵器が数多く出土しており、町内で生産されていたことも確認されています。

室町時代~江戸時代

13世紀には高鳥居城が築城、室町時代には大内氏筑前守護代の居城として、様々な文化を形成しました。本町は古来より農業を主産業としてきましたが、江戸時代には高名な眼科医がいたことから、製薬や売薬業も盛んとなりました。

江戸時代には眼療に全国から人が訪れました

 江戸時代になると、全国に名を馳せる独自の文化が誕生しました。

 須恵の眼科医と目薬です。当時、上須恵には、田原氏、須恵高場氏(現岡氏)という腕のいい眼科医がいました。そのために治療を求める人びとが全国から訪れ、眼科医の門前に民宿がズラリと並ぶようになりました。眼目療治帳には、遠くは北海道や鹿児島から患者が来ていたことが記されています。それまで農業だけを産業としていた小さな村が、宿場町のようなにぎわいを見せるようになるのですから、街の人びとの驚きも大きかったことでしょう。その景観は「眼療宿場跡」として保存され、今もその面影をしのぶことができます。「正明膏(しょうめいこう)」と呼ばれた須恵の目薬は、紅絹に包んで貝にいれてあり、昭和20年代まで盛んに製造されました。

上須恵眼療医 田原養全宅跡筑前須恵眼目療治関連資料

眼療宿跡                     薬箪笥(くすりだんす)            
 眼療宿跡薬箪笥

幻の筑前磁器として珍重された「須恵焼」

須恵器

「須恵器」は大陸系の古代の土器で、5世紀の中ごろ、朝鮮半島から生産技術をもった人々が移ってきたことで、全国に広がっていきました。
 弥生式土器から発展した土師器の焼成温度が摂氏850℃前後なのに比べ、外来の須恵器は摂氏1000℃以上で焼成するという違いがあります。このため、須恵器は山麓の傾斜を利用したあな窯を築いて製作されました。 

須恵焼

「須恵焼」は福岡黒田藩唯一の本格的な磁器御用窯として発展したもので、須恵器とは種類もルーツも異なります。皿山には県指定文化財の「登り窯跡」が残されていますが、皿山という名前も「須恵焼」がその地で焼かれていたためについたものです。「須恵焼」は、宝暦(1751~1764年)のころ有田焼や伊万里焼などの技術を手本に誕生しました。それから明治30年代まで約150年間にわたって焼かれ、幻の筑前磁器として珍重されました。白地に青い染付けの器が主流ですが、黄金地に濃い緑色の絵柄が浮かび上がる金錆染付けなど珍しい技法も用いられています。明治22年に作られたコーヒーセットは、当時のハイカラさんたちの注目の的だったでしょう。「須恵焼」の多くは、現在、久我記念館<外部リンク>に収蔵されています。

金錆染付山水文花生

史跡・文化財一覧

明治時代~現在

明治22年には、上須恵村、植木村をはじめとする6村が合併し「須恵村」となり、その後、昭和28年に町制施行により「須恵町」となりました。明治時代から昭和30年代にかけては、良質な石炭が取れることから日本で唯一の国営炭鉱を中心に石炭産業が隆盛を極めましたが、エネルギー革命による炭鉱閉山後の昭和40年代からは、道路、生活環境、公共施設整備、住宅団地や工業団地の造成を進め、福岡市の発展とあいまって秩序ある発展を遂げています。

五坑ボタ山に明治の栄華を見る

 明治時代以降、須恵町の産業の仕組みを大きく変化させることになる石炭。町では、江戸時代にすでに採掘が始まっていたようです。海軍、そして国鉄直営の炭坑として、須恵町は昭和30年代まで石炭の町として栄えました。新原公園には海軍炭鉱創業記念碑が建てられ、「五坑ボタ山」の美しい稜線がそのころの栄華を伝えています。そして今、ボタ山は再開発の舞台に。未来へ向け、新しい歴史がまた始まろうとしています。

 なお、これら町の歴史や文化・民俗史料を展示する「町立歴史民俗資料館」は、昭和49年、九州で最初の歴史民俗資料館として建設されたもの。皿山公園の中にあり、ハイキングがてら出かけるのに最適なスポットです。